任意整理ができる目安は借金額と支払い能力のひらきで決まる

「任意整理できるできないの目安って借金額がいくらかによるの?」
「任意整理を断られるケースってどんなもの?」

任意整理は裁判所を通さないでできる手続きですが、それゆえ貸し主であるカード会社が任意整理の交渉を受けてくれるのかと、心配に思う人もいるのではないでしょうか。

任意整理は〇百万以上の借金には適用できないとか、そういった視点では決まりません。
この記事では、どういった目安が任意整理で借金を整理できることとなるのか?などをみていきましょう。

任意整理に向かないケース

任意整理は、裁判所を通さずに任意でカード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)と交渉をし、利息のカットや返済計画の見直しをするものです。

カード会社が交渉に応じないのではないか?と思う人もいますが、カード会社側も元本を取り戻せるので、自己破産されるよりは損がないのです。

ただし、カードを契約して取引がまもない時に任意整理しようという場合は交渉に応じてもらえないケースもあります。
それは、カード会社も利子でお金を貸して利益を出して営業していますので、取引が浅い場合は営業としての旨みがないと言えるからです。

また既に、あなたに訴訟が届いている場合や、給与口座の差し押さえになっている場合は、任意整理では手続きできないことになってきます。

•借金額と返済能力のひらき
借金額が大きくても長年借りていて「過払い金請求(払いすぎた利息を返還請求)」ことで減額できる可能性があったり、借金額が大きくても毎月の返済額も見合ってほどに支払えるのだったら任意整理はできます。

借金額が大きいか小さいかという目安基準よりも、あなたの収入から生活費を引いて返済に充てられる額がどのくらいあるのか?また、その返済額で借金を3〜5年で返済完了できるのか?が任意整理手続きできるかどうかの目安となります。

また、借金総額が年収の1/3以上を超えている場合は任意整理で対応するのは難しいと言えるでしょう。

具体的に例をあげれば、あなたが毎月35万円ほどの手取り収入があったとします。
借金総額が500万円です。ボーナス支給を加味したとしてもこの時点で年収の1/3以上の借金を抱えている状態です。
毎月かかる経費(家賃・公共料金・保険・生活費・維持消耗品費・食費)など諸々差し引いて仮に毎月5万円を借金返済に充てられるとしましょう。
年間で60万円返済できますが、これでは5年以内で返済できる計算になりません。

このようなケースでは任意整理はおろか、自己破産をするしかなくなります。

•財産や担保を持っている場合
あなたが財産を持っている場合には、それを換金して返済に充てれば良いことになるので、カード会社は任意整理を受け付けてくれないでしょう。財産を持っていることを隠すことはやめましょう。弁護士とのやりとりも信頼ベースとなりますので隠蔽が発覚すれば弁護自体取りやめになさることになります。

また、任意整理対象にローン返済中のマイカーがある場合も車が担保となりますので、そのローンに対して任意整理の交渉には応じてもらえません。なぜなら、車を売って返済に充てればいいのでは?とカード会社も思うからです。

ただし、任意整理には手続き対象の債権(借金)を除外することができるのでマイカーローンを頑張って返済すると言うのなら、外して任意整理とできます。そしてその車両はローン会社が所有権留保として握っていますので、他のカード会社の返済に充てろと言われることにはなりません。

ちなみに、マイホームとマイホームローンの場合は、個人再生という手続きで「住宅ローン特則」というものがあり、マイホームを守ることができます。

•弁護士が受任しないケース
借金額に対して著しく返済能力が乏しい場合、元本の返済の見込みも立たないケースでは任意整理で対応することは難しく、自己破産をすすめられたり、あなたがもしも任意整理にこだわると受任しない専門家もいるでしょう。

元本を5年以内で返済できる見込みがなかったり、安定的な継続収入がない場合、そしてカード会社との取引が浅く返済履歴がほとんどない場合などがそれにあたります。
(主婦・主夫で安定収入がない場合でも配偶者や家族が払えるのであれば手続き可能です)

無理に任意整理にこだわっても結局また返済が苦しくなり、再度の任意整理をしなくてはならなくなるケースもあります。そのように無理をした設定での任意整理も弁護士はすすめないことになります。

また、あなたが任意整理しようとしているカード会社の中に任意整理に応じない姿勢の貸主が含まれている場合(またそれがわかっている場合)や、割り切った経営をしている法律事務所では、報酬額の観点であなたの任意整理の案件を受任しないケースもあります。

ただ、これは法律的にルールがある訳ではなく、あくまでもその弁護士によっての各々の方針であり、そして弁護士側も必ず受けなければならない法的義務がある訳でもありませんので、お互いが納得できる専門家を探すことは可能です。

任意整理で減額を期待できるもの

任意整理では、利息分をカットできる交渉が叶うと先述しましたが、もう一つ借金の減額に一役買ってくれるものがあります。

任意整理では「引き直し計算」という処理をします。
これは過去に払いすぎた利息分の過払い金が発生していないか確かめる行程です。

ご自身でもできなくはないですが、借金を返したり借りたり繰り返していると、かなりややこしいので、専門家に依頼する方が時間も労力も無駄にしません。任意整理を依頼しなくても過払い金請求だけやってくれる事務所もありますので頼るといいです。

この過払い金請求が発生する場合は、借金と相殺できるので、残りの額を3〜5年で返済できる計画を立てて、カード会社から承認されれば、毎月の支払額も軽減され少しはゆとりができるのではないでしょうか。

また、過払い金請求額が借金を上回り、借金が帳消しにできるケースもあります。

債務整理をすると個人信用情報に傷がつくことになり、5〜10年ほど金融事故者とされ、ブラックリスト扱いになりますが、もし、この過払い金請求で借金がゼロに相殺できれば、ブラックリスト扱いにならなくて済むのです。

従って、取引の長い人は、任意整理で得れるメリットが大きいということになります。

まとめ

・カード会社も回収したいので任意整理の交渉を断るばかりではない
・任意整理ができるかどうかは借金額ではなく5年以内に返済できる能力があるかどうか
・借金総額が年収の1/3以上ある場合はそもそも任意整理は向かない
・既に訴訟になっていたり給与口座の差し押さえがされている場合は任意整理は不利
・任意整理は手続き対象とする借金を選べる
・任意整理では過払い金請求を確認するため引き直し計算という行程をとおる
・過払い金請求で借金がゼロになればブラックリストには載らないで済む

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