任意整理ってどんな手続き?

「借金の催促を今すぐ止めたい」

「月々の支払い分、せめて利息分だけでもカットできないか」

そういった悩みをお抱えしているあなたにお勧めするのが「任意整理」という債務整理です。
任意整理は大体3〜6年の期間での返済を目的とし、弁護士や司法書士があなたと消費者金融の間に入る事により、借金の催促が止まり、利息分の一時的なカットなどが可能です。
任意整理を行うのに、例えば何百万円以上や何百万円以下といった制限は全くありません。
あなたの借金が30万円でも300万円でも任意整理は行う事が出来るのです。
つまり借金の額に関わらず、現在の状況が苦しいと感じる人は誰でも任意整理を行うことが出来るのです。

任意整理の特徴

●「受任通知」による催促の即時停止
任意整理を行う依頼を受けた弁護士や司法書士は「受任通知」というものを消費者金融に送ります。
これにより今まであった借金の催促の電話、督促といったものを止める事が可能となります。
「今すぐにでも借金の電話を止めたい」
弁護士や司法書士の手続きにもよりますが、早ければその日のうちにこれらの事を行う事ができます。

●借金の利息分をカットする事ができる
任意整理を行う事によって将来利息のカットをする事ができます。
今までの借金返済には利息分も支払う必要がありましたが、任意整理後はその利息分がカットされますので、月々の返済額の軽減が可能となります。
例えば借金100万円で返済期間1年、金利が15%だと仮定すると、利息分だけで月に1万2千5百円かかっている事になります。
1年に計算すると利息分だけで15万円かかってしまいます。
任意整理ではこれらの利息分がカットされる事になります。

●借金返済計画の見直し
任意整理によって借金の返済期間を見直す事ができ、それまでの月々の返済額の軽減が見込まれます。
例えば月々9万円の返済額だったものが月々5万円に減額されるといった具合です。
借金の元本が減るわけではないので、返済期間自体は伸びてしまいますが、先で述べたように利息分はカットされますので、月々の返済額が減るのは大きなメリットと言えます。

●家族や会社に知られる事なく返済できる
任意整理は裁判所を介さない債務整理です。
あなたと消費者金融の間に弁護士または司法書士が入って借金の返済手続きを行っていく事になります。
その為手続きは裁判所のそれとは違い格段に簡単です。また裁判所を介さなくなる事により、裁判所から自宅への郵送物といったものがありませんので、家族や親類、会社などに知られるといった心配もなくなります。
「家族や会社に知られずに借金返済をしたい」
そうあなたが考えているならば、任意整理は非常に都合の良い債務整理でもあります。

●整理対象を自由に選択
任意整理の特徴として、例えば全ての借金に任意整理を行うのではなく、あなたが任意整理を行いたいものだけを対象とする事ができます。
例えばカード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)だけに任意整理を行い、家や車のローン、奨学金の保証人といったものは任意整理の対象から外すという事が出来ます。
そうする事によって、家や車を手放す必要がなくなり、保証人に迷惑をかけずに済むというメリットに繋がります。
どの借金に任意整理を行うかはまさにあなた次第です。

任意整理のデメリット

●保証人に請求がいってしまう
良い事尽くめのように見える任意整理ですが、借金の債務整理である以上デメリットはあります。
先ほど出てきた「受任通知」ですが、確かにこれによってあなた自身への借金の催促の電話、督促といったものはなくなりますが、保証人となった人に請求がいく事になります。
保証人がいる場合にはあらかじめ任意整理をする旨を連絡しておくほうがいいでしょう。
いきなり請求がくると保証人も驚いてしまいますし、もし保証人も支払うことが難しいようであれば、保証人も弁護士をたてる必要があるため準備期間が必要です。

●借金の元本が減るわけではない
任意整理は社会的にリスクの少ない債務整理ですが、結果的に借金の元本を大幅に減額できるわけではありません。しかし、金利15%などの高利貸しの借金である場合などは、借金の完済まで利息分が免除されるので、精神的苦痛から解放されるという面でも一考する価値はあると思います。

●ブラックリストに載ってしまう
任意整理を行う事で信用機関に5年間記録されるので、その期間は新たに借金をするという事が出来なくなります。
つまりブラックリストに載ってしまうという事です。
ブラックリストとは、正式に言うとお金の信用を管理する信用情報機関というところに、事故情報記録がされることです。事故情報として記録されてしまうと、5年~7年ほどはクレジットカードを利用することができなくなります。
また、自動車のローンや住宅ローンの融資を受けることができなくなります。
これは個人再生や自己破産をしても同じ事ですので、債務整理を行う以上避けられない部分ではあります。

●任意整理に応じないカード会社がある。
日本保証、クレディア、CFJなど、既にカード会社をやめている会社は少し例外ですが、今も現役で営業しているカード会社は、ほとんどが任意整理に応じてくれますが、稀にモビットのように任意整理後、数カ月以内に和解できないとすぐに訴訟を提起してくる会社は存在します。

任意整理の手続きの流れ

●弁護士や司法書士に相談
任意整理をする前に、弁護士や司法書士に法律相談をします。
現在では債務整理の法律相談は大半の法律事務所等で無料で行う事が出来ます。
ここでは消費者金融会社との取引の期間、現在のカードの借金の残高などを聞いて、まずは任意整理が可能かどうかを判断していきます。

●任意整理の費用
法律相談の結果、任意整理を弁護士や司法書士に依頼することになった場合、弁護士との間で委任契約を締結します。
カード会社の任意整理の費用相場は大体1社につき1万5千円〜3万円ぐらいです。

●「受任通知」の送付
任意整理を行うことになった場合、まずはカード会社に対して「受任通知」を送ります。
この受任通知の送付によって、カード会社からの直接の催促の電話や督促といったものが停止されます。
通常、受任通知は弁護士や司法書士との契約が決まったその日に送付します。
また、受任通知の送付と同時に、相手のカード会社にこれまでの取引履歴の開示も請求します。

●取引履歴の開示
相手のカード会社から取引履歴の開示を受けたならば、それをもとにして違法な利率による利息分やカード会社との間で行われたすべての貸し借りの取引を,すべて見直して利息分を計算し直す作業が必要となってきます。
これを引き直し計算と言います。
これによって正確な借金の総額を確認します。
場合によっては過払いとなっていることもあり、お金が戻ってくる事もあります。
取引履歴の開示までの時間はカード会社によって異なります。遅いところだと2か月近くかかる場合もあります。
なお開示がなされなかった場合には再度開示を請求するか、またはその他の資料に基づいて推定計算を行います。
推定計算とは何らかの理由によってカード会社が一部の取引履歴を破棄してしまっている場合などに行われる計算方法です。推定計算が問題となるのは、やはり過払いとなっているほどに取引期間が長い場合です。
この場合には、すべての取引履歴を開示してしまうと、過払い金を請求されてしまいますから、カード会社によっては、古い取引履歴は廃棄したなどと理由をつけて、取引履歴の一部を開示してこないという場合があります。

●過払い金の発生
引き直し計算によって、過払い金が発生していることが判明した場合には、あなたに対して過払い金の返還請求をすることになります。
回収した過払い金は、弁護士費用等を差し引いて、返済の頭金などに使われることになります。

●返済条件の和解案の提示
ある程度の返済資金が積み立てられ、また過払い金の回収が済んだ段階で、任意整理における返済条件を決める和解案を作成します。
通常は60回分割払い、利息のカットなどを決めることになります。
作成した和解案は、各カード会社に送られます。

●和解案の交渉
作成・送付した和解案をもとに、各カード会社と交渉します。
中には交渉にはまったく応じないという貸金業者もいます。

●交渉がうまくいかない場合
あまりに交渉が上手くいかない場合には、裁判所の特定調停手続を利用するという場合もあります。
特定調停制度は借金の返済に困っている人に特化した民事調停です。
特定調停も話し合いが基本ですが、ある程度の和解案を示せば、裁判所がその和解案に沿った決定を出してくれることがあります。

●和解案の契約
カード会社とあなたとの間で話がついた場合は、和解契約を交わします。
和解書を取り交わしておくことによって,任意整理に決定的な法的な力を持たせることができることになります。
要するに、約束に違反した場合は、約束を守るように請求したり、または契約違反の責任を問うことができるようになるということです。
カード会社が任意整理の約束を破って一括での支払いを求めてきたとすると、あなたは上記の和解契約を盾にしてこれを拒否できます。
つまり分割でなければ払わないと言えるのです。
一方、あなたが任意整理の約束を破って分割払いをしなければ、カード会社は、契約違反を主張して裁判を起こしたり、その裁判の判決を使って強制執行したりすることができるということになります。

●和解案の成立・返済
和解契約が成立したならば、その後は、その和解契約の内容に基づいて返済をしていくことになります。
通常の場合は、まず弁護士費用等を完全に支払い終わってからカード会社への支払いが始まることになります。
支払方法については、あなたが自分で支払っていく方法と弁護士や司法書士が代理して支払っていく方法とがありますが、カード会社が指定した銀行口座にあなた自身で振り込む方法によって支払っていく方法をとるのが通常です。
もっとも弁護士や司法書士によってやり方が違うので、よく確認しておいたほうがいいでしょう。

任意整理ができない場合

●返済期間内に返済不可能
これまでも述べたように、任意整理は、あなたとカード会社の間で、借金の減額や分割返済などについて交渉を行う債務整理方法です。
裁判所が間に入らないため、交渉はあくまで当お互いの納得が必要です。
そのため、あなたの状況やカード会社の方針によって、任意整理ができないケースもありえます。
任意整理で定められた原則3年(最長でも5年から6年)以内に返済が出来なければ、任意整理を行うことができません。
例えば借金の元金が1000万円で、毎月返済できる金額が5万円だけだとします。この状況では5年かけても300万円しか返済できず、任意整理は不可能です。

●過去の返済取引に応じていない
一方、元金が3〜5年で返済できる場合でも、ああなたのこれまでの返済状況や収入によっては任意整理ができないこともあります。
例えば、あなたが取引開始から一度も返済していない場合、任意整理は不可能です。
なぜなら、カード会社の立場で考えると、このような場合に債務整理に応じれば無償で貸し付けたも同然だからです。
これでは商売にならないので、まずはあなたに通常の返済を求めるでしょう。
一度も返済していないのは極端な例ですが、取引期間が非常に短い場合も同様のことが言えます。

●安定した収入が見込めない
あなたが無職・無収入の場合、任意整理で和解することは難しいです。
この先も安定収入を得る見込みがない人は、自己破産の手続きを進めるしかありません。
逆にアルバイトでも安定した収入がある人は、任意整理が可能です。

●弁護士や司法書士との契約が成立しない
弁護士や司法書士に任意整理をお願いしても断られるケースもあります。
まずあなたがなかなか電話に出ないなど信頼関係が築けない場合です。
また報酬面の理由で断られることもあります。
専門家の中には高い報酬が見込める過払い金請求以外は断るというスタンスの人もいるのです。

●カード会社側が任意整理に応じない
誰にでも門戸が開かれた裁判所に申し立てる個人再生や自己破産に比べて、任意整理は当事者間の交渉です。
門前払いを食う可能性もゼロではありません。
そもそも任意整理とは、カード会社や消費者金融との当初の約束を守れなかったあなたの都合で減額を申し出るという「お願い」の要素が強いものです。
このためカード会社が交渉のテーブルにつくかどうかは、カード会社の判断に委ねられています。
つかない場合でも法的な拘束力はありません。
少数派ですが、カード会社の中には会社やグループ会社の経営方針で「任意整理には応じない」と決めているケースもあります。
一切応じてもらえない場合は、任意整理を断念して個人再生や自己破産に移行することになります。

まとめ

メリット
●比較的に安価で専門家に依頼できる債務整理。
●処理後の返済利息0。
●裁判所ではなく弁護士や司法書士があいだに入って交渉してくれるので友人、会社、家族などに知られずに返済可能。
●借金の対象を指定できる。
●最短で依頼した当日から「受任通知」により取り立てなどの催促がなくなる。

デメリット
●借金の元本自体は変わらない。
●安定収入がないと任意整理対象外になる。
●保証人に迷惑をかけてしまう。
●信用情報にブラックリストとして登録されるので、5年間はクレジットカード作成やローン借入ができなくなる。
●カード会社の一部には、任意整理に応じない会社もあり法的な拘束力はない。

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